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全国各地の医療安全支援センターにおける、さまざまな活動を紹介します。

相談能力向上のための研修資料作成プロジェクトチーム (PT)
【その4】PT活動を医療の質・安全学会で話題提供しました!

2015年11月22日、23日に千葉県の幕張メッセで第10回医療の質・安全学会があり、活動報告ポスターで、研修資料作成プロジェクトチーム(PT)の活動を話題提供してきました。

医療の質・安全学会では、患者・家族と医療者の信頼関係の構築を目指した取り組みがたくさん報告されており、「苦情相談対応」や「相談員の質向上」に関する発表もありました。総合支援事業スタッフは毎年学会に参加し、支援センターの現状について話題提供をしておりますが、今年うれしかったのは、この発表を聞いていた医療機関の参加者の方に「医療安全支援センターを知っていますか?」と伺ったところ、「知っています」「対応困難事例を共有し合っています」という回答がありました。これはとても嬉しいことでした。
地域で、支援センターと医療機関が連携を取って相談対応にあたっている姿が少しずつ増えていくといいな、と思います。

以下に、当日発表したポスターの内容を記します。

 

【目的】
医療安全支援センター(以下支援センター)は、日々の相談実践だけでなく、相談員の相談能力向上のための研修や医療機関への医療安全研修、地域住民への啓発活動が求められている。しかし、多くの支援センターは研修実施に様々な課題を抱えており、研修実績は芳しくない。そこで、各支援センターの相談員が研修に取り組みやすくなるための支援の方法を検討する。

 

【取り組み】
研修実績のある支援センター相談員のOBOGを中心メンバーにして「研修資料作成プロジェクトチーム」(以下PT)を立ち上げ、下記三点に取り組んだ。①課題共有のためのミーティングの実施②住民啓発研修の支援(研修資料の作成と研修会の共同運営等) ③医療機関との情報共有の場づくりの検討(PTメンバーによる現場訪問と研修ニーズのヒアリング).これらを通して、支援センターの相談員が自立して研修を運営するための方法や支援のあり方を検討した。

 

【結果】
支援センターが行う研修の全体像は4つの領域があり、①ネットワークづくり②メンタルヘルス③知識習得④インストラクションスキルであった(図1)。研修資料雛形には相談事例を活用したり、参加型や体験型の研修が可能なように、相談員の心構えや相談支援の考え方等の基本的な講義資料に加え、ロールプレイ、事例検討のシナリオ等を準備しておく必要があることがわかった。また、相談員の研修における役割がファシリテーターになるため「ファシリテーション」のスキルが求められることになる。しかし、そのスタイルの研修を企画するとなると、相談員一人が行うのは難しく、課内の他の職員の協力が得られるか、が課題になる。

 

【考案】
支援センターが自主的に研修を行えるための支援の方法として、研修資料の雛形をつくることには意味はあるが、それをつかって研修を実施するファシリテーターがいないと研修実施率は上がらない。研修を運営する余力のない中で、必要な研修のどこまでを行政が行うべきか、を見極めていくことが大切であると考える。支援センターの研修の方向性は地域包括ケア等の他の制度が目指す姿と重なる部分もあるため、今後は、支援センター単独の研修ではなく、他事業との研修の協同企画等も視野に、地域に研修資料の雛形、ファシリテーターを増やしていくことを模索していきたい。

図1 研修の全体像

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